厚生労働省の「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会」が19日、東京都内で開かれた。この日は、前回会合のヒアリングの結果なども踏まえ、EPA(経済連携協定)の枠組みで来日する介護福祉士候補者の受け入れ対象施設を拡大する案などが示された。受け入れ対象施設としては、定員30人以上の特定施設入居者生活介護などが加わる見通しだ。就労範囲については、必要な措置を講じた上で、訪問系のサービスにも拡大する方針が示された。同検討会では、この日示された案を大筋で了承。次回の会合でEPA介護福祉士候補者の受け入れ施設や、EPA介護福祉士の就労範囲の拡大を骨子とする取りまとめを行う予定だ。【ただ正芳】
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同検討会は2008年度以来、EPAに基づき介護福祉士候補者を受け入れている制度について、より有効に運用する目的で開催されている。 この日は厚労省が、前回会合のヒアリングなどを踏まえ、▽受け入れ対象施設の範囲拡大▽受け入れ施設当たりの受け入れ人数の下限の見直し▽就労範囲の拡大-について、具体的な案を示した。 ■併設型なら定員29人以下の介護保険3施設も受入施設に EPA介護福祉士候補者の受け入れ対象施設の範囲は、現在は定員30人以上の介護保険3施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)や、介護保険3施設と同一敷地内で一体的に運営される通所介護や通所リハビリテーション、グループホーム、ショートステイなどに限定されている。 これに対し、厚労省の提案には、次の施設などを、新たに受け入れ対象施設とする方針が盛り込まれた。
▽定員30人以上の特定施設入居者介護
▽定員30人以上の介護保険3施設と同一敷地内で一体的に運営される、定員29人以下の介護保険3施設や地域密着型介護老人福祉施設
▽定員30人以上の介護保険3施設を本体施設とするサテライト型施設 ■就労範囲は「介福士国試で実務経験となる範囲全般」まで また、EPA介護福祉士の就労範囲については、「介護福祉士国家試験の受験資格要件で『介護』の実務経験として認められる業務の範囲全般」まで拡大する方針も示された。この案が実現すれば、現在は対象外となっている訪問系サービスも就労範囲となる。ただし厚労省の案では、訪問系サービスを追加する際には、人権擁護などの観点から必要な措置を講じるとしている。 ■「1人からの受入」も拡大へ 受け入れ対象施設当たりの受け入れ人数については、現在は「原則として各年1カ国2人以上」となっており、1人からの受け入れが認められるのは、同じ出身国のEPA介護福祉士が就労している施設などに限定されている。 これに対し、厚労省の提案では、1人からの受け入れを可能とする施設を拡大する方針が示された。具体的には、定員30人以上の介護保険3施設やそのサテライト施設、同一敷地内で一体的に運営されている通所介護などに、既に同じ国出身のEPA介護福祉士候補者がいる場合は、1人からの受け入れを認めるとした。
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