「冒険でした」-。東京都町田市を中心に訪問看護などを手掛ける「楓の風」グループ副代表の野島あけみさんは、看護師の応募方法を変更した当時を感慨深げにそう振り返る。現在、訪問看護ステーションはどこも人材不足で、看護師の採用に苦慮しているところが多い。そのため、待遇を手厚くしたり、応募条件のハードルを下げたりと、あの手この手の採用合戦が繰り広げられている。しかし、同グループは、あえて志の高い人を募集する方針に切り替えたところ、応募者が集まるようになったという。【坂本朝子】
「訪問看護ステーションの求人は、休日や勤務時間など、待遇面の良さをうたっているところが多いと思います。そうしたことが必要な人もいるでしょうし、そうしたことに飛び付く人もいるでしょう。でも、訪問看護で必要な人材はそういう人ではありません」
では、どのような人材が必要とされるのか。
野島さんは、「24時間飛んで行ける人」「まだ確立されていない領域を切り開いていくことを楽しめる人」などを条件として挙げた。その上で、人材の需要と供給のミスマッチで24時間対応が必要な看取りの支援を始めたくても始められない訪問看護ステーションがあると指摘する。そして、看取りの支援をしようと思えば、看護師の頭数をそろえるのではなく、どのような人材をそろえるかが重要だと強調した。
(残り2062字 / 全2637字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】