医師として立場変われど「医の心」貫く
あの時、私はこう考えた(4)
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林はこうした、家族を想い、もっと生きたいと思いながら亡くなっていった多くの患者の一人ひとりの思いを背負いながら、今の活動の原動力につなげている。林は、20年近く勤めてきた医療現場を離れ、医療現場の声を反映させるために2010年12月に厚生労働省に入省し、患者目線から見たがん医療政策や、希望をもたらす研究開発政策に全力を注いだ。そして今、昨年3月末に同省を退職し、患者団体の活動支援に注力している。
■基本計画と現場の乖離に違和感
林が医療現場にいた10年前、国のがん対策は大きな転換点を迎えていた。06年5月22日、参院本会議で民主党の故・山本孝史議員が、自身ががんであることを告白し、がん対策基本法の早期成立を訴えた。これがきっかけとなり、6月に同法が成立した。
がん対策の理念が記された同法は翌年4月に施行され、具体的な施策が盛り込まれたがん対策推進基本計画(基本計画)も6月に閣議決定された。林は、同法と基本計画により、変わりゆく現場の医療を肌で感じていたが、緩和ケアに関する政策については違和感を覚えていた。
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