4月の診療報酬改定を目前にして、その方向性が徐々に明らかになってきた。精神医療の評価をめぐっては、身体合併症を持つ患者の救急搬送の受け入れを促すといった“総合病院”向けのものが目立つが、精神病床のみを持つ「精神科病院」の経営に直結しそうな見直しもある。【佐藤貴彦】
厚生労働省によると、2014年の精神科病院の施設数は1067だった。10年間の推移を見ると、09年の1083施設をピークに減少傾向が続く =グラフ1= 。05年と14年とで病床規模別の施設数を比べると、100-199床の病院などが増え、500床以上を有する病院などは減っている =グラフ2= 。
一方、14年の精神病床数は、10年と比べて8541床少ない33万8174床だった。精神科病院が持つ病床はこのうち25万2747床(74.7%)で、10年と比べ5000床近く減った。病床数と同じく、精神科病院の病床利用率も減り続け、10年の91.2%から14年には88.5%に低下した。
改定の方向性、精神科の現場どう見る?-厚労省案は“肩透かし”
(残り1425字 / 全1897字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】