■ASK梓診療報酬研究所 中林梓所長
16年度の診療報酬の改定率は、ネット(全体)でマイナス0.84%だったが、本体がプラスだったのは予想外の結果だった。医療の高度化や質の向上に向けた取り組みを進めるためには、合理化だけでは困難だと思うので、このプラスは評価できる。
その一方で、医療費の伸びを抑制するための施策も必要だ。今回も、薬価と材料価格の引き下げで財源が確保された。結果として、08年度以来のネットのマイナス改定となったのはやむを得ないと思う。
ただ、市場拡大再算定による薬価の見直しや、経腸栄養用製品に関する入院時食事療養費の適正化など、改定率とは別枠の予算が付いたことには違和感を覚える。ネットの改定率が一体、どこまで下がったのかが分かりづらい内容だった。
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