日本老年医学会(楽木宏実理事長)は「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の発刊にあたり、東京都内でこのほどプレスセミナーを開催した。同ガイドライン作成ワーキンググループ委員長の秋下雅弘副理事長(東大医学部附属病院老年病科教授)が概要を示した。【大戸豊】
ガイドラインで扱う領域は、▽精神疾患▽神経疾患▽呼吸器疾患▽循環器疾患▽高血圧▽腎疾患▽消化器疾患▽糖尿病▽脂質異常症▽泌尿器疾患▽筋・骨格疾患▽漢方薬▽在宅医療▽介護施設の医療▽薬剤師の役割-となっている。
分担研究者が執筆やシステマティックレビューを行い、原稿について関係学会に査読を依頼し、昨年12月に原案が完成。今年4月にはパブリックコメントを募集し、その意見も反映させている。
また、Minds2014で推奨されているGRADEシステムに準じた方法でガイドラインを策定しており、リストでは、薬剤ごとにエビデンスの質と推奨度を挙げている。
「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」の目的は、まず薬物有害事象の回避であり、次に服薬数の減少に伴うアドヒアランスの改善を目指している。
リストの対象者は、75歳以上の高齢者および75歳未満でもフレイル(衰弱)、要介護状態の高齢者であり、慢性期、特に1カ月以上の長期投与を適用対象としている。リストは特に実地医家(開業医)が非専門領域の薬物療法を行う場合を想定しているほか、医師とともに薬物療法に携わる薬剤師、服薬管理の点では看護師も対象としている。
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