認知症専門病院の「横浜ほうゆう病院」(横浜市、215床)では、2012年度から患者家族に対し、認知症家族講座を続けている。職員が情報を提供するだけでなく、家族同士によるピアサポートを引き出す。病院と家族が連絡を密に行い、相談しやすい雰囲気をつくりながら、患者の日常生活を整えることを目指している。【大戸豊】
同院の入院患者は、認知症の重症者が多いといい、家族もぎりぎりまで家で介護を頑張った上で、すがるような思いで病院にたどり着くことも多いという。
村山科長は、「家族は疲れ果て、支援を必要としているほか、認知症の人がこの先どのような経過をたどるのか、よく理解できていない場合も少なくない」と話す。
入院の際、重度の認知症の場合には、状態が急変したり、合併症で亡くなったりする場合もあることを家族に伝え、了解を得た上で入院してもらっているが、最初の説明だけではなかなか伝わらないことから、認知症への理解を深めてほしいと考えていた。
本人が口から食べられなくなった場合にどうするのか、家族も事前に考えておくことが大切だ。胃ろうをする場合も、認知症の本人に代わって、家族が判断しなければならない場合も多い。村山科長は、「『医療的に見てこう考えている』と伝えているが、家族に判断してもらうのは大変」と言い、そのような場合、同じ状況を経験した家族に相談できることで、少しでも安心してほしいと考えた。
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