「患者の8割程度には、かかりつけ医がいる」「患者の6割以上は、どの医療機関を受診しても、一つの薬局で薬をもらっている」-。こうした「かかりつけ」の実態が、中央社会保険医療協議会(中医協)の専門部会の調査で明らかになった。患者がかかりつけの医師や薬局を選ぶ理由なども調べており、医療機関や薬局にとって重要なデータと言えそうだ。【佐藤貴彦】
病院か診療所を外来受診した患者に、自分が「かかりつけ医」だと考えている医師の有無を尋ねると、病院を受診した患者の73.3%が「いる」と回答。診療所を受診した患者では、85.0%が「いる」と答えた =グラフ1、クリックで拡大= 。
調査では、「かかりつけ医」が病院医師と診療所医師とでそれぞれ何人いるのか質問。平均人数は、病院を受診した患者では病院医師が1.3人、診療所医師が0.2人だった。一方、診療所を受診した患者では病院医師が0.4人、診療所医師が1.1人だった。
■かかりつけ医は1人か-患者の状況で違う傾向
「かかりつけ医」がいる人に受診の仕方を尋ねた質問 =グラフ2、クリックで拡大= では、複数の疾患を持つ患者と持病がない患者とで、「かかりつけ医」の人数に違う傾向があることが分かった。
病院と診療所を受診した患者でいずれも、回答が最も多かったのは「1つの病気にかかっていて、1人の『かかりつけ医』から治療を受けている」。以下は、「複数の病気にかかっていて、病気ごとに別の『かかりつけ医』から治療を受けている」「複数の病気にかかっていて、1人の『かかりつけ医』から全ての治療を受けている」と続き、複数の疾患がある患者に限ると、複数の「かかりつけ医」がいる人の方が多かった。
一方、「特に持病はないが、病気の内容に関わらず、まずは決まった1人の『かかりつけ医』を受診する」と「特に持病はないが、病気の内容に応じて受診する『かかりつけ医』を変える」とでは、1人の「かかりつけ医」を受診する人の方が多かった。
■決め手はアクセスの良さだけじゃない!?
それでは、患者が「かかりつけ医」を選ぶ決め手は何なのだろうか-。
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