2025年に必要な病床数を見誤らないために、データの継続的な更新を-。政府の専門調査会が示した医療機能別の病床推計は、大きく注目された。各地の二次医療圏では今後、機能別の必要病床数について、具体的に話し合われることになる。しかし、地域によっては患者の流入・流出などが進み、病床推計と実際の必要病床数にギャップが生じる可能性を指摘する声もある。これから本格始動する地域医療構想調整会議で求められる視点は、どのようなものだろうか。【大戸豊】
茨城県土浦市にある土浦協同病院(900床)の情報システム管理室責任者の船越尚哉医師は、地域の将来患者数などを独自にシミュレーションしてきた。
船越氏は、病床推計で「25年には全国で回復期が37.5万床必要」といったマクロの数字を示したことは画期的と評価する。一方で、その病床数を都道府県、二次医療圏、さらに個々の病院に割り当てるのは「まだ早過ぎる」と言う。
今回の病床推計は、13年度のレセプトデータやDPCデータなどが使用されている。人口データは10年の国勢調査がベースだ。船越氏は、「このデータだけで25年時点での必要病床数を推計できるのか」と疑問を呈する。
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