エボラ出血熱ウイルスなど危険性が極めて高いとされる病原体を分析できる「BSL(バイオ・セーフティー・レベル)4」施設として、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)の高度安全試験検査施設が感染症法上の指定を受け、国内で初めて正式に稼働した。国や日本医師会などは、感染者の診断や治療方法の開発などに不可欠として稼働を歓迎する立場だが、地域住民は安全性に対する不安の声を上げ続けている。【丸山紀一朗】
「一番問題なのは、ここにいる皆さんが、この村山庁舎のそばに住んでいないことだ。(BSL4施設の稼働は)近隣住民の理解が大前提だと言うが、何をもって理解を得たというのか。勝手に感染研側が進めたんじゃないか」
先月末、村山庁舎で開かれた「施設運営連絡協議会」で、近隣自治体を代表する委員の1人は強い口調でこのように述べ、厚生労働省や感染研の委員らに説明を迫った。さらに、「(稼働は)あまりにも拙速過ぎるし、この会自体が“出来レース”“茶番”だ。最初から近隣の理解を取り付けるつもりはなく、今後もこの流れで進んでしまうと思う」と不満をぶちまけた。この委員によると、近隣住民の中には転居を検討し始めた人もいるという。
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