2016年度診療報酬改定の議論では、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の要件が焦点の一つになっている。看護必要度は、提供した医療の結果や根拠を評価するツールであり、適切な記録を残すことが求められている。東京都立広尾病院では近年、看護必要度についての理解と適切な記録を、看護スタッフに求めてきた。繰り返し教育し、チェックをすることで、理解は浸透するようだ。【大戸豊】
そこで院内の「看護の質向上委員会」の下部組織である「看護必要度グループ」を中心に、2012年から1年ほどかけて看護必要度のマニュアルを作成した。マニュアルは冊子だけでなく、院内LANのシステムを見ればいつでも参照できるようパワーポイント版も用意している。また、院内のシステムでは、看護必要度の記録に関する豊富な例文を参照できるようにしたほか、入力の省力化にも配慮している。
看護必要度グループ・リーダーの中尾麻美主任は、誰でも看護必要度で求められる項目を網羅しつつ記録できるように、多くの例文を掲載したという。「スタッフが例文をまねて、自分の患者を評価していくうちに、適切な記録が残せるようになるのではないか」(中尾主任)。
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