団塊世代がすべて75歳以上になる2025年に向け、医療提供体制の再編が急ピッチで進んでいます。2年ごとの診療報酬改定に加え、昨年度にスタートした病床機能報告制度などで、各病院の経営者が自院や近隣の病院の医療機能を把握し、地域のニーズに合わせて機能を転換させる動きもあります。
とある地方都市にあるキホンノキ病院(一般150床)でも、機能の転換を検討するとともに、そのための資金の調達方法を考えているようです。この連載では、キホンノキ病院の事務長と、資金調達手法に詳しい新人職員キソしろうさんのやりとりで、資金調達方法それぞれの特徴や、使う際の留意点を全4回で解説します。
第1回では、資金調達する方法を決めるに当たり確認すべきポイントを整理します。
■ポイントごとに考え、どんな調達必要か明確に
事務長 病床機能報告制度の結果が公表されたのう。同じ医療圏の病院が、これほどまで急性期ばかりとは驚いたわい。
うちも急性期病院だと思ってこれまでやってきたし、できれば今後も続けたい。しかし、入院患者はだんだん年齢層が高くなって、合併症を持つ割合も増えた。そんな中で在院日数を維持するために、みんなひいひい言っておる。回復期への転換を、真剣に考えなければいけないのかもしれんのう…。
そういえば、市立病院が建て替えで手術室を増やすと言っておったな。うちが回復期の病院になれば、急性期治療が終わった患者を受け入れられるかもしれん。でも、機能を変えるなら、病室のつくりや設備も今のままというわけにはいかんじゃろう。
そろそろとは思っておったが、うちも全面改築すべきなのかもしれんわい。しかし、どうやって資金を調達したらいいものか…。
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