病棟で働く常勤看護職員のうち、臨床経験5年以上の職員の占める割合が高い病棟ほど、患者に本来と違う医薬品を投与するといった「誤薬」が起こるリスクが低減する-。これは日本看護協会(日看協)が試行的に実施してきたデータベース事業のデータを分析した結果の一つで、川本利恵子常任理事は「これまで現場の感覚でしかなかったことが説得力あるデータとして示された」と胸を張る。全国約4000病棟が参加して先月本格スタートした同事業で、日看協が目指しているものは何なのか。【丸山紀一朗】
この事業の名称は、「労働と看護の質向上のためのデータベース事業」。日看協では、英訳の「Database for improvement of Nursing Quality and Labor」の頭文字を取り、「DiNQL」(ディンクル)を愛称としている。2013年度から2年間、試行的に事業を実施し、参加数は、昨年度の試行事業では1451病棟(301病院)だったが、今年7月からは3989病棟(521病院)へと大幅に増え、本格的にスタートした。
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