痛みの診断や治療のプロであるペインクリニシャンは、緩和医療や在宅医療に向いている。このほど、大阪市内で開かれた日本ペインクリニック学会第49回大会のシンポジウムで、ペインクリニシャンらが弱点克服法や看取りの心得などを紹介し、緩和や在宅の医療現場で果たすべき役割について熱く語った。【坂本朝子】
■ペインクリニシャンの弱点は克服できる
技術的な疼痛管理には長けていても、緩和ケアに携わる上で、ペインクリニシャンとして克服しなければならない不得意分野がある。そう主張したのは、慶大(東京都新宿区)の医学部麻酔学教室・病院緩和ケアセンター・橋口さおり氏。 橋口氏は、「痛みの包括的評価」「精神症状への対応」「看取り」「地域連携」などを不得意分野として挙げ、それを克服するためには、多職種と情報を共有し、知恵を借りることが重要だとした。同大では「そんなにカンファレンスをするの?」と言われるくらいに毎日カンファレンスを実施しているという。また、看取りについては、「地道な努力しかなく、逃げないで足を運ぶだけでも修行になる」と述べ、経験を積むしかないとの考えを示した。
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