高齢者の増加に伴い、明らかな老衰やがんの終末期など、治療の施しようのない高齢患者が救急搬送される、いわゆる「看取り救急」が医療者を悩ませている。救急スタッフには本来の目的である救命処置をせず、看取りをすることに対する強い葛藤があり、一方で、在宅医療スタッフには不本意な結果になったことへのぬぐい切れない後悔が残る。こうした事態を防ぐには、どうすればよいのか。【坂本朝子、佐藤貴彦】
そう語るのは、訪問看護ステーションの経営や在宅支援のコンサルタント事業など、在宅医療の現場で幅広く活躍する看護師の久保美穂子さん(合同会社医療介護連携研究所)。
久保さんは、何よりもまず、「医師から病状が変化するごとに、患者や家族に小まめな十分な病状説明と意思確認を行うことが大切」と話す。その上で、ケアマネジャーやヘルパー、訪問看護師など、かかわる全スタッフで情報を共有し、どういうケースでは救急搬送するかを取り決めておくことが、看取り救急の回避につながるとした。
忍び寄る、二次救急病院の経営危機-急がれる「高齢者救急」への備え(上)
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