2014年度診療報酬改定では、中小病院・診療所が外来患者に発揮する主治医機能の評価として「地域包括診療料」(地包診)が新設された。首都圏で医療機関などを運営する「医療法人白報会グループ」(白昌善理事長)は、診療所4施設で要件を満たし、昨年6月までに地包診を届け出たものの、算定実績はいまだにゼロだ。それでも、在宅時医学総合管理料(在医総管)の算定対象が16年度改定で引き締められ、地包診で評価されることになると見越して、集合住宅などで療養中の患者を外来で受け入れる準備を進めている。【佐藤貴彦】
算定要件は多岐にわたり、療養上の指導に加えて服薬管理、健康管理、介護保険に関する対応、在宅医療の提供などで、それぞれ基準が設定されている。例えば診療所は、常勤医師3人以上の在籍や、在宅療養支援診療所としての届け出といった要件をクリアする必要がある。要件のうち、慢性疾患の指導に関する研修を修了した医師の配置には1年間の経過措置が設けられていた。
厚生労働省の調べでは、昨年7月時点で地包診を届け出ていた医療機関数は122だった。その後、新規に届け出る医療機関がある一方で、届け出を辞退する医療機関も現れ、今年4月時点では121に減っていた =関連記事= 。
首都圏で病院1施設と診療所17施設を運営する白報会グループは、昨年4月にドクターランド松戸(千葉県松戸市)で地包診の施設基準を取得。その後、同年5月にドクターランド船橋(同船橋市)とドクターランド幕張(千葉市美浜区)、同年6月にドクターランド(さいたま市緑区)でもそれぞれ施設基準を取得した。
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