政府の規制改革会議は、「門内薬局」を含めた医薬分業の在り方についての議論を踏まえ、今月予定する答申で、患者がコストに見合うと感じられるような調剤報酬の見直しや、「かかりつけ薬局」の育成を目指す施策などを盛り込んだ規制改革案を提言する見通しだ。同会議の公開ディスカッションのヒアリングメンバーとして参加した日本在宅薬学会の狭間研至理事長は、「薬局が病院の近くにあれば必ず患者が来るという大前提が崩れつつある」と指摘。次期改定では薬局業界の再編が始まる可能性もあるとの見方を示した。【聞き手・坂本朝子】
「医薬分業には意味がない」という話になるのかと思っていましたが、そういう話には一度もならず、国民の利便性を損なわずに医薬分業の当初の目的を達成させる仕組みは考えられるのではないかという雰囲気がありました。それは、いい意味で意外でした。
ただ、堂々巡りをしたのが、「門内・門外」「柵の有り・無し」と経営の独立性に関する問題です。門内なら経営の独立性がなく、門外なら経営の独立性があるという単純な図式ではなく、利便性が損なわれているから、そこの改革を急がなければならないのではないかという話で、監査体制を敷くなどで工夫できるのではないかという意見も出ました。
その時に申し上げたのが、「薬局が病院の近くにあれば必ず患者が来る」という大前提が変わっていることを踏まえた上で議論した方がよいということです。
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