病院経営を取り巻く環境が年々厳しさを増す中、たった1年で赤字から脱却した病院がある。京都医療センター(京都市伏見区、600床)だ。2007年から4年にわたり院長を務めた藤井信吾氏は、就任初年度いきなり17.5億円もの増収を果たし、周囲を驚かせた。その後、順調に増収を重ね、経営を軌道に乗せた藤井氏は、その経営手腕を買われ、11年春に北野病院(大阪市北区、699床)の院長に就任。同院でもさまざまな改革を断行し、増収を続けている。どのように両院を成功に導いたのか、その経営の裏側に迫った。【坂本朝子】
当時のセンターは、国立病院機構が経常収支の改善が必要と判断した「再生プラン対象病院」の一つ。投資枠はゼロで、50万円以上のものは何一つ買えない状況だった。「1台しかないMRIが故障したら、病院の経営が立ち行かなくなる」。そんな不安を抱えながら職員は懸命に働いていたと、藤井氏は振り返る。
このシリーズの(下)の記事配信は、6月3日15:00を予定しています
(残り2168字 / 全2650字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】