政府の規制改革会議は先月開催した公開ディスカッションで、医薬分業をめぐる規制の見直しに着手し、病院敷地内の保険薬局(門内薬局)開設の“解禁”に焦点を当てた。「薬局の求められる機能とあるべき姿」(※)をまとめた吉山友二・北里大教授は当日、傍聴席で耳を傾けながら、一つの大事な視点が欠けていることに歯がゆい思いをしていた。【聞き手・佐藤貴彦】
■門内薬局議論の勘違い「入るのに処方せん要る施設ではない」
-公開ディスカッションでは規制改革会議の委員が、患者の利便性を向上させるために「門前薬局」ならぬ「門内薬局」を認めるべきなどと主張しました。吉山教授はどう考えますか。
当日は、私も傍聴席で議論を聞いていました。医薬分業をめぐる規制がテーマということで、薬剤師バッシングがあるかもしれないと思って聴きに行ったのです。しかしディスカッションの中で、薬剤師の働き自体はむしろ、非常に高く評価されていました。
門内薬局に関しては、薬剤師のことは高く評価しているけれど、患者さんの目線に立ったときに見直すべきことがあるのではないかということでした。もっと良くしようという議論は素晴らしいものです。ただ、一点だけ勘違いがあったのではないかと思います。
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