2014年度診療報酬改定では、在宅医療でのかかりつけ医機能を評価する在宅時医学総合管理料(在医総管)などで、同一建物居住者の場合(※)の評価が大きく引き下げられ、医療・介護関係者の間で反響を呼んだ。同改定に厚生労働省保険局医療課長として取り組んだ国立国際医療研究センターの宇都宮啓・国際医療協力局長に、その見直しの真意や、DPC制度の今後についての私見を聞いた。【聞き手・佐藤貴彦】
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■在宅医療のかかりつけ医機能とは
―同一建物居住者の在医総管の評価の適正化に対し、現場からは、集合住宅に住む患者に必要な医療が届かなくなるといった懸念も出ました。ただ、中央社会保険医療協議会(中医協)では、専門部会の調査を経て、そうした悪影響はほとんど見られず、適正化の方向に問題がなかったという結論に至りました。適正化の真意を、改めて教えてください。
同一建物居住者の場合の評価を適正化する上で問題になったのは、移動時間が短縮できるということもありますが、本来ならば通院可能な患者さんを囲い込んで、月2回だけ、しかも治療というより健康管理的なことをして、在医総管を算定する不適切な事例があるのではないかということでした。
―在医総管は、在宅患者のかかりつけ医機能の評価で、月2回以上の訪問診療などが要件です。
そうです。在医総管について考える上で重要なのは、この管理料がかかりつけ医的な機能を評価するもので、訪問頻度が「月2回」ではなく「月2回以上」となっていることです。
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