不安を抱えた「がん患者」が過ごす放射線科の待合室を、少しでも居心地の良い環境にしたい-。そんな思いから、あるプロジェクトが立ち上がった。アーティストやアートディレクターが、病院の職員らと一緒になって待合室のリニューアルを手掛ける、その名も「祈り玉」プロジェクトだ。少し無機質だった待合室が心温まる空間に一新された、その日に密着した。【坂本朝子】
全国でも珍しいホスピタルアートディレクターとして活躍する森合音さん(四国こどもとおとなの医療センター)を講師に、アーティストには森口ゆたかさん(NPO法人アーツプロジェクト代表)を迎え、受講生らと共に、医療安全にアートを取り入れるなどユニークな試みを展開する同大学医学部附属病院で半年をかけ、放射線治療科待合室のリニューアル計画を立てた。
始まりは、昨年9月に実施した職員への課題やニーズのヒアリング調査。その後、何度も職員との対話を重ね、企画の立案、院内外の折衝、具体的な作業への落とし込みなどを経て、リニューアル当日を迎えた。
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