NST(栄養サポートチーム)が普及し、入院中の栄養管理は向上する一方で、在宅での栄養管理を実施する医療機関はまだ少ない。しかし、高齢化に伴い、今後、栄養管理が必要な患者は増え、在宅栄養管理の需要は高まると予想される。そのような中、先月、神戸市内で開催された第30回日本静脈経腸栄養学会学術集会のシンポジウム「在宅介護の現場へ有効な栄養治療を届けるために」では、訪問栄養管理や指導を実践している病院の取り組みが報告された。【坂本朝子】
京都市山科区では2012年、山科医師会・歯科医師会・薬剤師会、京都府栄養士会、京都府歯科衛生士会山科支部が協力し、「山科地域ケア愛ステーション」を開設。ケアマネジャー(ケアマネ)からの要望に応じて各職能団体から適切な専門職を紹介する仕組みを構築した。その相談の中で、訪問管理栄養士の介入が必要と判断したケースでは、京都府栄養士会から管理栄養士を派遣する。
山田氏は、「訪問管理栄養士は医療機関に所属していることが条件であり、訪問看護師や薬剤師のように保険請求が独自でできないことが、在宅訪問栄養指導が進まない理由」と指摘。そのため、同院がフリーランスの管理栄養士と仮雇用契約を結ぶことで、山科区のどの医療機関にかかっていても訪問栄養管理や指導が受けられるようにしたと説明した。
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