介護報酬は各サービスの費用などに基づいて設定されている。そのため厚労省は、3年に1度の報酬改定に合わせ、各サービスの経営実態を明らかにする目的で介護実調を実施してきた。2014年の介護実調は、同年3月の、▽居室・設備の状況▽職員配置▽職員給与▽収入・支出の状況-などを調べた。サービスごとに無作為抽出した3万3339施設・事業所を対象に行い、1万6145施設・事業所から有効回答を得た(有効回答率48.4%)。
その結果、大部分のサービスで収入に対する利益の割合(収支差率)が5%以上となり、10%を超えたサービスも3つあった =表、クリックで拡大= 。最も高かったのは特定施設入居者生活介護の12.2%(11年の前回調査は3.5%)で、以下は認知症対応型共同生活介護(11.2%、前回8.4%)、通所介護(10.6%、前回11.6%)、介護老人福祉施設(8.7%、前回9.3%)などの順。厚労省がこの結果を、社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(委員長=田中滋・慶大名誉教授)に示したのは、昨年10月3日のことだった。
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