女性医師の増加に伴い、女性が活躍できる勤務環境の整備が医療機関に求められている。少しずつ取り組みは進んでいるものの、マンパワー不足や上司の無理解など依然として課題が山積する。ではどうすれば、こうした現状を打開できるのか-。自らも子育て経験を持つ、厚生労働省の「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」の惠谷ゆり委員(大阪府立母子保健総合医療センター消化器・内分泌科部長)に話を聞いた。【聞き手・坂本朝子】
まずは、上司の理解。それがないと何も始まりません。
例えば、「子どもができた」と報告した時、上司がどう対応するかでその後の命運が分かれます。「良かったね。おめでとう」と言って、それからの話をしてもらえると安心するし、前向きな気持ちにもなれます。でも、「妊娠するなんて…」「約束が違う!」などと言われてしまうと傷つき、「やはり妊娠は駄目」という考えが刷り込まれ、一気に気持ちが弱ります。
もちろん、いろいろご負担は掛かると思いますが、上司の方には、まずはそこをぐっとのみ込んで、ポジティブに受け止めていただくことが第一条件と思います。
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