紹介状を持たずに大病院を受診した初診患者などに対し、窓口負担と別の定額負担を求める新たな制度の検討が進められている。その狙いは外来医療の機能分化の促進で、国は導入に必要な改正法案を、来年の通常国会に提出する方針だ。定額負担の導入に関する厚生労働科学特別研究事業(2013年度)で研究代表者を務めた法政大経済学部の菅原琢磨教授は、大病院とそれ以外の医療機関とが連携を強め、「二人主治医制」の体制を築くことが、定額負担と車の両輪の関係だと指摘。もし連携が不十分であれば、制度の導入が病院経営や患者の受療行動に悪影響を及ぼす恐れもあると話す。【佐藤貴彦】
この調査研究は、13の医療機関の関係者のヒアリング調査と、患者側のウェブ調査で構成される。
このうちヒアリング調査では、病院外来の現状や、定額負担を導入した場合の影響について聴取し、医療現場の声をまとめた。また、ウェブ調査では1849人から有効回答を得て、患者が自覚症状に基づいて受診する医療機関の規模の傾向や、定額負担の金額による受診抑制効果を分析した。
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