「HOSPEX Japan 2014」(12-14日)で開催されたセミナー「看護管理職のための経営指標」では、聖路加国際大の渡辺明良法人事務局長が講演し、看護師長らが病院経営を考える上で知っておくべき基本的な考え方などを解説した。非営利が原則の医療法人が利益を上げるべき理由や、「患者満足度」を指標とする際に押さえるべきポイントなどに触れたほか、聖路加国際病院が患者のニーズに応えるために実施する取り組みなども紹介した。【佐藤貴彦】
渡辺氏は、病院経営について考える際にまず、病院が非営利組織であっても、利益を出すべきだという前提に立つ必要があると強調した。その理由に関しては、病院が非営利なのは、株主などの外部の者に利益を配分しないからだと説明。さらに、外部の者に配分しないからこそ、患者のために利益を使うことができるとし、「病院が利益を上げてはならないという認識は間違いだ」と訴えた。
また、その利益をどう再投資して、どのような医療を提供するかといった「インプット」と「アウトプット」の関係を考えることも重要だと指摘。その上で、どういった医療を提供するかをまず決めてから、それを実現するために、ヒト・モノ・カネをどう使うかを考えるといった順番を徹底するようアドバイスした。典型的な失敗例として、やりたい医療のために医療機器を購入したものの、それを使う患者がおらず、その医療ができないといったケースを挙げ、「病院経営がうまくいかないときは、多くの場合、インプットとアウトプットがずれている」と注意を促した。
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