「その人らしい人生を全うするのに寄り添う。それがホスピスの本来の形」-。淀川キリスト教病院の柏木哲夫理事長は、ホスピス開設30周年を記念して開催された講演会の中で、そう語った。同院は1984年に全国で2番目にホスピス病棟を開設。2012年に国内初となる「こどもホスピス」をスタートさせており、ホスピスの草分け的存在として知られる。会場となった同院の病院建物中心に位置する礼拝堂には医療関係者や地域住民ら約300人が集まり、熱心に耳を傾けた。【坂本朝子】
また、病棟開設に先立って、1973年から日本で初めて末期患者へのチームアプローチのプログラムをスタートさせた当時は、どのような場合にも治療しようとする「キュアへのパターン化」や患者に取り残された思いをさせてしまう病室環境など、一般病棟で末期患者のケアをするにはさまざまな課題があったと振り返った。そして、「静かに過ごしてもらえる専門病棟をつくりたい」という強い思いでホスピス病棟開設に向けて奔走したと語った。
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