診療報酬によって薬局業務の在宅への重点化が進むものの、現実には外に出る薬剤師は少ない。どうすれば地域の中に出向き、活躍する薬剤師が増えるのか-。名城大薬学部では3年前から、「地域医療薬局学」と称したセミナーを毎月開き、薬局における在宅薬剤師の育成を後押ししている。在宅分野で必要となる知識やスキルを学ぶほか、ディスカッションを取り入れているのが特徴だ。「これまでの薬局薬剤師は、ディスカッションをする経験が全然なかった。一人ひとり違う患者さんに何ができるのか、議論をして結論を出す練習が必要」。セミナーを担当する鍋島俊隆特任教授は、そう狙いを話す。
在宅に特化した店舗を人材育成拠点に位置付け、話し合いながらチームで働く方法を身に付けてもらう薬局もある。業務の在宅シフトと共に、薬剤師には議論するスキルが求められている。【大島迪子】
「薬学部が6年制になって問題解決型学習が取り入れられたが、4年制を出た人は機会がなかった」(鍋島氏)という背景もある。薬剤師の積極性を引き出そうと取り入れているのが、ディスカッションやロールプレイなどの実習だ。
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