2025年に向けた病床機能の再構築の流れの中で、病院経営者は、自院の機能の再考を迫られている。横浜市港北区にある大倉山記念病院(114床)は昨年、急性期病院から、在宅復帰を支援する病院への転換を決断。6月に10床で亜急性期入院医療管理料(亜急管)を届け出て以降、対象の病床数を徐々に増やし、今年4月には、亜急管に代わって新設された地域包括ケア入院医療管理料1を43床で取得した。同管理料が、リハビリテーションを包括評価の対象としているにもかかわらず、大倉山記念病院では、同月からリハビリスタッフの数を1.5倍以上に増員したという。同病院が機能を転換した理由や、リハビリを強化する背景に迫る。【佐藤貴彦】
同病院は昨年5月まで、一般病棟10対1入院基本料を65床、障害者施設等10対1入院基本料を49床で、それぞれ算定していた。このうち一般病棟の43床で、今は地域包括ケア入院医療管理料1を算定している。
■リハを包括評価する地域包括ケア入院医療管理料
14年度の診療報酬改定では、ポストアキュートの機能を担う病室を、亜急管に代わって評価する地域包括ケア入院医療管理料が新設された。
同管理料ではポストアキュート機能に加え、在宅療養中の患者が急変した際に受け入れるサブアキュート機能、在宅復帰支援機能なども評価するとされている。そのため、一日当たりの点数は、14年度改定前の亜急管1が2061点、同2が1911点だったのに比べ、地域包括ケア入院医療管理料1が2558点、同2が2058点と、高く設定された。
ただ、亜急管で包括評価の対象外だったリハビリテーションの評価を包括化。要件 =表、クリックで拡大= に、病棟専従の常勤リハビリスタッフの配置や、リハビリが必要な患者に一日平均2単位以上リハビリを提供することなどが含まれるものの、一部の病院関係者からは、「リハビリ控え」につながると懸念する声もある。
一方で大倉山記念病院では、同管理料1を取得した今年4月、それまで計9人だった理学療法士と作業療法士を、合わせて15人に増やした。同病院の西本育夫事務長は、この増員について、当然の選択だと考えている。
(残り2127字 / 全3125字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】