「データ集計だけで手いっぱい」「インシデント・アクシデント報告の処理方法が分からない」「院内での立ち位置が難しい」など、医療安全管理者の悩みは尽きない。仕事の性質上、孤立しがちなこともあり、相談できる相手がいないという声もある。こうした悩みを地域で共有し、解決を図っていこうとする試みがある。南大阪地域(堺市二次医療圏と南河内二次医療圏)の医療機関が活動する「南大阪医療安全ネットワーク」だ。【坂本朝子】
先月、近畿大で開催された研修会には医療安全管理者ら50人が参加。ベルランド総合病院クオリティ管理センター副部長の楠本茂雅氏による講演「医療安全におけるリーダーシップ」と、グループ討論を中心としたワークショップ「医療安全管理者の役割と業務」が行われた。
開会に当たり、同ネットワークの主宰者である近畿大病院安全管理部医療安全対策室長の辰巳陽一氏は、「多くの病院では医療安全の専任者はローテーションで、2、3年で交代するのではないか。前任者から引き継ぎはされていても、実際にやってみて『自分のやっていることはほかの病院と一緒だろうか』『認識が違うことはないだろうか』と思うもの。そうしたことを一緒に話し合えれば」とあいさつした。
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