1980年代の当時、この町の高齢化率はすでに18%。「年寄りが長く生きる世の中は素晴らしい。健康に過ごしてほしい」。同病院の野尻眞院長は、大会を始めた意味をそう話す。
全国的な高齢化を見越して「ここが医療の最先端になる時代が必ず来ると思っていた」と野尻氏。町の高齢化率は現在41%となり、2060年ごろの日本の人口構造を先取りしている。その最先端の医療はどうあるべきか。一つの答えは、内科も外科も、西洋も東洋もない、総合的な医療だ。
「診断学は総合的に、治療学は専門的に。ここで脳外科の手術はできなくてもいいけど、診断はできなければいけない」。診察した患者がどのような予後を送っているのか、他病院を選んだのか、はたまた亡くなったのかが容易に分かるこの町の中で、患者と一緒に最先端の医療をつくっている。【大島迪子】
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