東京都内でドクターカーを運用する病院の救急医らが協議会を設立し、患者の症例の記録方法などの統一基準を策定する作業を進めている。ドクターヘリは国の予算で整備が進む一方、ドクターカーは病院の自主的な事業として行われており、運用や症例の記録についても、病院ごとに基準が違っているのが実情だ。協議会の会長を務める東京医科歯科大大学院の大友康裕教授(救急災害医学分野)は「運用基準を策定して集積化することで、ドクターカーの有用性を示したい」と話している。【新井哉】
「この症例については今後、検討した方がよいのではないか」。今年6月に東京医科歯科大で開かれた「東京ドクターカー運用協議会」。参加した救急医や救命救急センターの看護師らが、現場での症例の記載や運用の問題点などを挙げた。都内には、医師らが車に乗って現場に駆けつけるドクターカーを持つ病院が現在4か所ある。しかし、ドクターカーの運用や患者の症例記載の方法などについては、統一された基準はない。
ドクターヘリの基地病院がない都内では、救急車による陸路での輸送がほとんどだ。現場での医師による初期治療の有用性がドクターヘリで示されてきていることもあり、都内では現在、東京医科歯科大医学部附属病院(文京区)や日本医科大付属病院(同)、同大多摩永山病院(多摩市)、独立行政法人国立病院機構災害医療センター(立川市)の4病院が、院外初期救急診療の手法としてドクターカーを運用している。
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