東日本大震災などの大規模災害で得た教訓を共有しようと、DMAT(災害派遣医療チーム)の看護師らが20日、東京都内で開催された日本災害看護学会年次大会で、「災害に強い病院づくり」をテーマに講演した。同学会教育活動委員会(山本あい子委員長)が企画したもので、多くの被災者を受け入れた岩手県立大船渡病院や、災害対応コースを設けた昭和大病院などの事例が報告された。山本委員長は「災害に強い病院をつくるには、それぞれの施設の実情に合わせた訓練や備えが必要」としている。【新井哉】
「電気は自家発電が稼働し、水はタンク内に240トンあったため、人工透析などに大量に使用する水を確保することができた」。大船渡病院でDMAT隊員を務める熊澤義子看護師は、会場を埋め尽くした約300人の聴講者を前に、2011年3月11日に東日本大震災が発生した際の状況について、こう説明した。
震災当日は地震発生直後の午後2時50分に院内放送で“災害医療体制”を発動したことを職員に伝達。マニュアルに基づいてトリアージポストや遺体収容施設などを設置した。また、職員や入院患者の安否確認や駐車場に臨時ヘリポートを確保したほか、津波でぬれた人が多数来院することを予想してエアテントも設けたという。
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