「窓口で薬を渡すだけが薬剤師の仕事だなんて情けない。在宅でこそ、その専門性を発揮できる」。名古屋市にあるチューリップ薬局の管理薬剤師、水野正子がそう考えたのはもう30年も前。介護保険が始まる前からチーム医療の形を想像し、そこで薬剤師として評価されるにはどうしたらいいかを模索してきた。褥瘡ケアの研究会を長年運営し、ケアマネジャーとしても働いて、強みを磨こうと努めた。今、思っているのは「専門性や強み、自分の切り札は、リュックの中に入れておくくらいがいい」ということ。薬剤師の視点で患者の疾病や薬剤にばかり注目するのではなく、患者と同じ視点で生活を診ることが大事だと思い至った。【大島迪子】
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