子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の積極的な接種勧奨が中止されて、1年余りが過ぎた。報告された副反応とワクチンの因果関係を検証する厚生科学審議会のワクチン副反応検討部会は、「医学的な評価は十分に行った」と強調。既に示した「心身の反応」とする見解を堅持している。ワクチンに対する批判や不安の声は依然としてやまないが、勧奨再開に向けた動きは徐々に見え始めている。【烏美紀子】
HPVワクチンが定期接種に加えられたのは昨年4月。その後、副反応報告が相次ぎ、わずか2か月ほどで接種勧奨が中止された。現在も定期接種の対象からは外れていないものの、接種者数は激減している。
一方、専門家による検討部会は今年1月、ワクチン成分との因果関係を否定する見解を提示。国内に特徴的な「全身の痛みや運動障害」の症状に焦点を当て、接種をきっかけに引き起こされた「心身の反応」が慢性化したものだとする評価をまとめた。
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