EPAに基づく受け入れは、二国間の経済活動の連携強化の観点から、外国人の就労が認められていない分野で特例的に行うもの。看護師・介護福祉士候補者の受け入れは、インドネシアからは2008年度、フィリピンからは09年度にそれぞれ開始し、毎年行ってきたが、ベトナムからの受け入れは今年度が初めてだ。第1陣として6月に入国したのは、看護師候補者21人と介護福祉士候補者117人。平均年齢は約24歳。
ベトナムからの受け入れ方法は、インドネシアやフィリピンと異なる。訪日前の日本語研修の期間が2倍の1年間に拡大したほか、訪日の要件として日本語能力試験で一定レベルの認定を求めている。インドネシアからの受け入れでも、今年度から日本語能力試験が要件化されたが、要求する日本語レベルはベトナムの方が高い。在留期間は原則、看護師候補者は3年、介護福祉士候補者は4年で、国家試験に不合格なら帰国する。ただし、帰国後も再受験目的の来日は可能だ。
14日の閉講式では、看護・介護の専門的な日本語や知識について研修を行ったアークアカデミーの鈴木紳郎代表取締役が、「受け入れ先の施設によっては、『方言』といって言葉が少し違うところもありますが慣れてください」と述べ、候補者らの笑いを誘った。また、若いころに一緒に勉強した友人は一生の仲間になるとし、「あすから各地に分散しますが、連絡を取って励まし合ってください。こういう時、日本語では『頑張れ』と言います」と激励すると、候補者らは「はい」と口々に答えた。
看護師候補者を代表してあいさつしたブイさんは、「買い物で道に迷った時、知らない日本人が親切に助けてくれました。小さいことですが一生の思い出です」と笑顔を見せた。また、研修中に学んだ日本のチーム医療について、「医師や看護師が連携して患者のケアをするのは効率的だと思いました」と述べた。
介護福祉士を代表してあいさつした男性、ファム・ディン・トイさんは、「自分たちにできることはまだ少ないですが、努力を忘れず、日本の皆さんにベトナム人候補者を受け入れてよかったと言ってもらえるよう頑張ります」と力を込めた。
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