医療分野で普及しつつあるAi(死亡時画像診断)が、“異業種”の関係者から注目を集めている。遺体を預かる事業を展開しているNPO法人が今年5月、遺体を受け入れてCT(コンピュータ断層撮影)が可能な施設を開設。6月に横浜市内で開催された葬祭関連の展示会でも、Aiに関するブースが盛況だったという。医療機関だけでなく、死因を知りたい遺族からの要望も少なくないことから今後、在宅医療や介護、葬祭の分野でもAiの需要が見込めそうだ。【新井哉】
「こんな世界があるとは、今まで知らなかった」。放射線科専門医を中心とした遠隔読影サービスを行っている一般財団法人Ai情報センターの山本正二・代表理事は、こう話す。山本代表理事らが出展した葬祭関連の展示会「フューネラルビジネスフェア」には、約150の事業所や団体などが出展。霊柩車や骨壷、棺などの展示が並ぶ中、死因究明に関するパネルなどが掲げられたAiコーナーは「異色の展示」(山本代表理事)となり、来場者だけでなく、他の出展者の関心を集めた。
山本代表理事は「死因究明のことを知っていた葬祭関係者が多かったのには驚いた」と振り返る。展示を見た介護関係者から「同僚を集めるので、ぜひ講師を引き受けてほしい」との要望もあり、医療分野以外でもAi が役立つ可能性があることが実感できたという。
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