鉄蕉会が運営するのは病院3施設と診療所5施設。その多くは鴨川市にあり、一般病床865床と精神病床60床を持つ亀田総合病院、外来を受け持つ19床の「亀田クリニック」(同市)、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する56床の「亀田リハビリテーション病院」(同市)を合わせると、ちょうど1000床になる。この3施設は「亀田メディカルセンター」として連携。地域医療を支えるほか、国内外の患者に急性期の医療を提供し、年間手術件数は1万件に達する。
積極的な投資を続け、13年には亀田総合病院に高気圧酸素治療室を新設したり、サテライトクリニックの「亀田京橋クリニック」(東京都中央区)をオープンしたりして、機能を拡充。しかし、14年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた影響で、今年度は投資の手を休めざるを得ないと判断し、予定していた鴨川市内での外来棟の増築は延期した。
「診療報酬のどの改定より、一番きついのは消費税率引き上げの影響だ」と亀田理事長は言い切る。14年度診療報酬改定では、消費税率引き上げによる医療機関の負担増を補てんすべく、約5600億円の財源が用意された。しかし同グループの試算では、負担増の補てん率は5割に満たない。
診療報酬上での補てんは不可能だとして、社会保険診療の課税化と、軽減税率の適用を求める。今年度は、その実現に向けて働き掛ける一方で、「国内で投資できる環境が整うまでは、国外に目を向けようと考えている」という。
(残り2029字 / 全2948字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】