「医師として働きながら子どもを育てるって、どんな生活?」「結婚・出産は、やっぱりキャリアの障害になるの?」-。女性の若手医師や医学生が抱く、こんな不安に答えるシンポジウムが先月、東京女子医大で開かれた。「女前なロールモデルを探そう!」というテーマの通り、子育て中の医師の多様なライフスタイルが紹介され、学生たちが「そう遠くない未来の自分」をイメージする機会となった。【烏美紀子】
臨床経験だけでなく、子育て時期は、専門医や学位を取得する時期とほぼ重なることもあり、多くの女性医師・医学生にとって、「できるだけキャリア形成に影響しない結婚や出産のタイミング」は大きな気掛かり。しかし、同大女性医師・研究者支援センターの竹宮孝子副センター長が「いろんなパターンがあって、いずれもやりくりしてやっていけると知ってほしい」と言うように、パネリストとして登壇した医師たちの発言からは、さまざまなロールモデルがあることが示された。
「手術大好き、バリバリ外科医」という小倉薫さん(2001年卒、同大東医療センター乳腺外科助教)は、卒後7年目で日本外科学会専門医を取得するなど、仕事に夢中になっている間に「同期の男性がみんな結婚していて、慌てて婚活を始めた」というタイプだ。32歳の時に知人の医師と結婚し、35歳で第1子を出産。現在は2人の子どもを院内保育に預けながら勤務しており、おなかの中には新たな命も育っている。「学生時代から余裕を持って人生を考えておけばよかったのかなとも思うが、3人の子どもに恵まれた今の状況に感謝している」と話した。
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