4月、消費税率が5%から8%に引き上げられた。それに伴う医療機関の負担増を補てんするため、2014年度診療報酬改定では、+1.36%に当たる約5600億円の財源が用意された。財源が基本診療料を中心に配分されたことに一部の病院関係者から不満の声が上がる一方、岩手医科大の小川彰理事長(学長兼務)は、「医療界の中で分捕り合戦をしても問題は解決しない」と指摘。患者負担を増やさない課税制度を実現させるために団結すべきだと訴える。【聞き手・佐藤貴彦】
補てん分の財源の配分方法が適切だったかどうかを考える上では、これまでの診療報酬改定にも目を向ける必要があると思います。
診療報酬は現在、初めに予算の総額が決まり、その中に収まるように配分の方法を考えるというやり方で改定されています。しかし、エビデンスに基づいた改定を目指すのであれば、医療行為ごとに想定される患者数や必要性、医師やそのほかの医療スタッフの必要な人数と時間などの議論が最初にあって、それに見合った点数を付けるという順番で行われるべきです。
初めに全体の予算ありきですから、費用の実情に見合わない低い点数が付けられることもあります。それに、財源が決まっている中で一部を重点的に評価しようとすれば、それ以外が犠牲になることにもなります。
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