病院と家をつなぐ第三の場所。「ファインメディコム」(兵庫県西宮市)が掲げる新しい薬局のコンセプトだ。患者がお茶を飲みながら講演を聞いたり、足の不自由な高齢者が買い物を楽しんだり、住民の生活全般を支援する。同社社長の渡部弘一は、それを「次世代薬局」と呼ぶ。「これからの薬剤師は、お薬の情報だけでなく、患者さんの“物語”を知る必要がある」。渡部が考える、次世代薬局の姿とは―。【敦賀陽平】
渡部は調剤薬局の経営者のほかに、ビジネススクールの学生というもう一つの顔を持つ。薬剤師としては異色の経歴だ。
「以前は薬局経営の部分しか見ていなかったが、大学院で経営学を勉強してから、地域や社会、日本全体の問題として、俯瞰して薬局をとらえることができるようになった」。渡部はこう話す。新たな薬局のコンセプトも、入学後に考案した。
神戸で生まれ育った渡部は、薬局と深い因縁を持つ。父親は、兵庫県内で調剤薬局を経営する「共栄メディカル」の社長。自らも、その後を追うように薬剤師の道へと進んだ。
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