■高齢者のイラスト、周囲に「医師」や「看護師」など配置
「どうしたら家に帰れるの?」「ソーシャルワーカーが必要だね」―。1メートル四方の用紙の中心に描かれた高齢者の顔。その周りを取り囲むように「友人」や「近所の人」といった付せんが張られ、空きスペースには、「入院」や「回復期」といった語句が並ぶ。6人ほどの班を組んだ新人職員たちが、その高齢者を地域に戻すためには、何が必要かを真剣に考えていた。
病院の理念を理解し、地域での役割を考えることが、この研修の目的だ。研修室のスクリーンには、農作業中の85歳の男性の画像とともに、性格は「頑固で口数が少ない」、既往歴は「健診では高血圧症、不整脈を指摘されていたが、医療機関の通院歴なし」といった情報を表示。たばこは1日40本、65年間飲酒といった嗜好も挙げられていた。
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