今、社会福祉法人に対して厳しい逆風が吹いている。政府の規制改革会議では、民間企業とのイコールフッティングなど、制度の抜本的改革を求める声が続出。厚生労働省が主催する検討会でも「社会貢献ができない法人には、税制上の優遇の撤廃もやむなし」とする意見が、当たり前のように論じられている。この逆風の中、社会福祉法人は何を目指し、どんな活動に取り組むべきなのか-。北陸の地で、高齢者施設から外食産業まで、70余りの事業を手掛ける社会福祉法人「佛子園」の理事長・雄谷良成は、「社会福祉の理念を堅持しつつ、地域をつくる活動に乗り出すことこそが、目指すべき姿」と強調する。(敬称略)【ただ正芳】
■社会福祉法人がつくった3万平方メートル余りの“町”
金沢市の中心部から車で20分程度、新興住宅地として急速に開発が進む同市若松町の一角に、佛子園がつくった約3万3000平方メートルの“町”がある。サービス付き高齢者向け住宅や障害児入所施設に加え、民間企業のオフィスや学生対象の賃貸住宅、喫茶ライブハウス、スポーツ教室、ボディケアサロンなど24棟の建物が軒を連ねる「シェア金沢」だ。今年4月には天然温泉や高齢者向けのデイサービス事業所、訪問介護事業所もオープンする予定だ。
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