看護職員の月平均夜勤72時間要件のみを満たせない医療機関の入院基本料の減算をめぐり、中央社会保険医療協議会（中医協）の2014年度診療報酬改定の議論では、支払側委員や福井トシ子専門委員（日本看護協会常任理事）が、最後まで反対したにもかかわらず、緩和措置が拡大された。福井専門委員は、キャリアブレインの取材に応じ、「医療機関は改定に惑わされず、働いている人の環境に十分配慮してほしい」と述べた。【聞き手・君塚靖】

　中医協を規定している社会保険医療協議会法では、専門の事項を審議するために必要があると認めるときは、その都度、10人以内の専門委員を置くことができるとしている。日看協を代表する福井常任理事は、その専門委員の1人だ。中医協の議論は、診療側と支払側の委員の丁々発止のやりとりが続き、入り込むすきは限られているが、昨年12月6日の総会で、福井専門委員は月平均夜勤72時間の緩和措置について、「もともと医療資源の乏しい地域で、13対1や15対1一般病棟などで勤務する看護師の夜勤回数が増える悪循環になる」と強く反対した。

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