「どうしてこうなったのだろう…」「何か足りないものがあったのでは?」-。医療機関で勤務していたころ、健康を回復して退院したはずの患者が再入院して来ることがずっと疑問だった。そう話すのは、滋賀県看護協会が運営する「在宅ケアセンターみのり」(滋賀県東近江市)でケアマネジャーを務める看護師の長嶋小百合さん。「訪問看護に携わるようになり、その謎が解けた」と話す長嶋さんに、訪問看護の実際や魅力について聞いた。【坂本朝子】
結局、長嶋さんの母親は、痛みのコントロールがうまくいかず、最後は医療機関に託すことになったが、家での療養を支えた経験から、「看護の力が発揮できるのは医療機関だけではない。生活の中で果たせることがあるのでは」との思いを抱くようになった。それには、在宅で亡くなった祖父母の記憶も重なった。
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