総務省消防庁「有床診療所(有床診)火災対策検討部会」の藤川謙二委員(日本医師会常任理事)は26日、キャリアブレインの取材に対し、病院のスプリンクラー設置義務範囲の見直しについて、マンパワーなど有床診との違いを考慮して慎重に行うべきとの認識を示した。前回の検討部会で消防庁が示した原案は、病院も有床診と同様に、原則として面積にかかわらず義務付けたのに対し、藤川委員は夜間の職員数や、避難訓練などソフト面の対策には病院と有床診で異なる面があるため切り分けて議論すべきと強調。次回の検討部会は27日に開催されるが、病院の基準見直しについての結論は、先送りされる公算が大きい。インタビューの主なやりとりは以下の通り。【聞き手・丸山紀一朗】
ある一つの医療機関で火災があった際、日ごろから努力して防災対策を行っているそのほかの医療機関まで影響が及ぶのは、本来よくないと思います。多くの場合、その火災には、その医療機関ならではの原因があるはずなので、その要因が何かという情報を公開し、医療機関同士で共有することでお互いに意識を高めるのが防災の基本です。「スプリンクラーを付ければ大丈夫」ということではありません。
(残り1641字 / 全2176字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】