このほど、日本医療マネジメント学会第14回東京支部学術集会が開かれ、「医療の安全と質を支えるチーム医療」をテーマにシンポジウムが行われた。SIRS(全身性炎症反応症候群)のサーベイランスチームの介入事例や、薬剤師と看護師による「持参薬業務ワーキンググループ」の取り組みのほか、看護師と受付事務が参加したことでCTとMRIの稼働率を高めた事例などが報告された。【大戸豊】
SIRSは侵襲により引き起こされる全身性の急性炎症反応で、症状が進むと臓器障害や低血圧を引き起こし、さらにショック反応によって心停止する場合もある。
中谷氏はサーベイランスに取り組む背景について、現場では医師の権限が強いが、患者の症状が悪化してしまう場合、他の医師が介入することも必要になると指摘。特に敗血症やショックなどの病態では、時間内に適切な対応をしなければ、重篤な合併症や有害事象を生じるという。また、患者の高齢化が進み、多くの薬剤を服用していることが、症状を覆い隠し、診断を難しくしているという。
同院では、2007年から患者の重症化を未然に防ぐ対策の一つとしてSIRSサーベイランスの取り組みを開始した。総合的な診療を行う「連携診療科」の医師2人(インフェクションコントロールドクターと救急専門医)と、研修医、薬剤師、感染管理認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師がチームを組み、週1回カンファレンスを行っている。その際、電子カルテをレビューし、介入を判断している。
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