東京都病院学会がこのほど都内で開かれ、高齢者の救急搬送における課題について、東京都病院協会・急性期医療委員会のメンバーが議論した。都では高齢者の救急搬送が年々増加しており、急性期の治療を終えても自宅に帰るのが困難だったり、受け入れ先の病院が見つからず、新たな救急患者を受け入れられなかったりする状況が見られることから、医療機関同士の連携で、問題の解決を図れないか話し合った。高齢者の救急搬送を減少させるための方策を救急病院に尋ねたところ、「高齢者施設での看取りを促進する」という声も多かった。【大戸豊】
坂本氏は、東京都医師会が2012年10月に行った救急入院患者調査を示し、入院患者で最も多い年齢層(5歳刻み)は80-84歳で、全入院患者の42.1%が75歳以上だったと指摘。
患者の1か月後の転帰を見ると、自宅は63.9%(在宅医療5.1%)、転院5.7%、施設入所4.5%、入院継続中は14.0%だったが、自宅に退院した割合を年齢別に見ると、50歳未満は83.8%だったが、75歳以上になると49.6%まで低下していた。
坂本氏は、「救命救急センターは本来、医学的な最後のとりでとして機能することが目的だが、社会的なとりでとして活用されていることも少なくない」と訴えた。
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