総務省消防庁は7日、有床診療所（有床診）火災対策検討部会を開き、新たにスプリンクラーの設置を義務付ける範囲を提案した。同案は、有床診について、病院の現行基準と同様に延べ床面積3000平方メートル以上に義務化範囲を拡大した上で、それ未満の病院と診療所についても、火災時の避難が困難な患者が入院する施設には義務付ける内容。これに対し、同検討部会の委員から、「病院と診療所は事情が異なる」「簡易型スプリンクラーの設置を、1500平方メートルまで認めるべき」など異論が相次いだ。結論は次回以降に持ち越され、年度をまたぐ可能性も出てきた。【丸山紀一朗】

　現行基準では、6000平方メートル未満の有床の診療所と助産所には、スプリンクラー設置義務はない。消防庁は今回、昨年の福岡市の有床診火災を受け、有床診などにも長期入院している患者が多く、病院と同様に火災の被害が拡大する危険性があると判断、平屋建てを除く3000平方メートル以上に、義務付けの範囲を広げる案を示した。これについて、反対意見は出なかった。

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