有床診療所へのスプリンクラー設置のための補助金が盛り込まれた2013年度補正予算が6日、成立した。現行の消防法で設置義務がない小規模の有床診療所などが対象で、1平方メートル当たり1万7000円の補助が出るが、総務省消防庁の「有床診療所火災対策検討部会」では、義務化の規模やスプリンクラーの種類などについて議論が継続中。同検討部会の委員でもある、全国有床診療所連絡協議会の葉梨之紀会長に今後のポイントを聞いた。【聞き手・丸山紀一朗】

－消防庁の調査で有床診の約95％がスプリンクラー未設置との結果が出ましたが、どう受け止めましたか。

　現行の消防法では、診療所は、延べ床面積6000平方メートル未満であればスプリンクラーの設置義務はありません。消防庁調査では、調査対象になった7744の有床診のうち、設置義務があるのは84か所にとどまっています。このうち未設置だった6か所については、当然法律に従い設置すべきですが、それ以外については義務がなかったので、現状では当然の結果だと思っています。実際、過去40年くらいの間に、有床診で火災による死亡事故はありませんでした。

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